ライトショアジギングを行う上でロッドの次に重要なのがリールです。ライトショアジギングで使用するリールについては、単純にライン(糸)を巻き取るツールといったイメージではなく、ロッドとの一体感を備えた存在でないといけません。
ルアー釣りは、攻めの釣りとも言われるように、ルアーアクションを常に行う必要があります。その度にラインを巻くため、使用するリールも耐久性と機敏性を兼ね備えたリールをチョイスしたいものです。
ライトショアジギングに必要なリールのスペック
リールといった種類は主に2つに分けることができます。
- ベイトリール
- スピニングリール
ルアー釣りで使用するリールはスピニングリールといったリールを使うのが一般的です。ベイトリールについては詳しい説明はこの記事ではしませんが、どちらかというと、ライトショアジギング向けであるとは言い難いです。
では、そのスピニングリールをチョイスする上でしっかりと目を通しておかないといけない項目は何でしょうか?
いろんな項目がありますが、私が一番見なければいけないと思うのは以下の5点です。
- ギア比
- ドラグ力
- 自重
- PE糸巻量
- 最大巻上量
スピニングリールのギア比
ギア比とは、ハンドルを1回転回す間にスプールが何回転するかということです。ギア比6.2と表示されている場合、ハンドル1回転でスプールが6.2回転するという意味です。
もっと簡単に言えば、ギア比が高いほど糸巻き量が多いということです。その為ギア比が高いリールは、軽い力で巻き取れる量が多くなります。ギア比の高いリールと低いリールの違いをもう少し詳しく説明します。
ギア比の高いリール
ギア比の高いリールは巻き取り量が多い為、疲れにくく動作運動を行いやすく、ルアーを手早く回収しやすいといった利点があります。
ナブラなどの時合の高ポイントを見つけた時は、直ぐにでもラインを回収してその場にキャストする必要があります。そんな時合のときにも大きな成果を上げやすくなります。
しかしデメリットもあります。巻き量が多いということは、その分巻きすぎの現象が起きやすいといった面があります。少しづつのリールアクションが必要なエギングなどの釣りには不向きな部分が多いです。
ギア比の低いリール
ギア比の低いリールは、ギア比の高いリールとは逆になります。巻き量が多いリールよりも少ないので、必然的に巻取る運動量が多くなります。その為、ルアー回収などの時は、一生懸命巻き巻きしないといけません|д゚)
デメリットとしては巻き量が少ないことですが、もちろんメリットもあります。自分がハンドルを回した分と同じ感覚で巻き取ることができるので、リールアクションを常に取りやすくなります。逆にエギングなどに向いているのがこのギア比が低いリールと言えるかもしれません。
ライトショアジギングに向いているギア比
ギア比についていろいろ説明していますが、私的な結論を言わせてもらえば、
【ギア比が高いリール程ライトショアジギングに向いている】と言えると思います。
ライトショアジギングはルアーアクションが多い為、リールで巻き取る動作がかなり多く、巻き取り量が多ければそれだけ動作が楽になります。
具体的な数字としては、ギア比が5.0以上のリールであれば、かなりライトショアジギング向けのリールだと思います。
スピニングリールのドラグ力
次に見てほしいのがドラグ力です。ドラグ力の項目を見てみると、
実用ドラグ力/最大ドラグ力
こういった項目があると思います。この実用ドラグ力と最大ドラグ力とは何なのかと言いますとドラグが耐えられる力の事です。
実用ドラグ力
ドラグを絞めたり、開けたりしているとわかると思いますが、強く締めれば締めるほど強い力でないとラインを出すことが難しくなります。逆にドラグを開ければ開けるほど簡単にラインを軽い力で出すことができます。
通常、ルアーで釣りをしているときは、一般的にドラグは6割~8割近く締めている状態が適正です。実用ドラグ力とはこの6割~8割近く締めている状態での耐えられる力になります。
例えば、実用ドラグ力6㎏となっていれば、6㎏の力まではラインが出ていかないということです。逆に6㎏以上の力が加わるとラインが出ていくということになります。
最大ドラグ力
最大ドラグ力とはドラグをがっちり締めた状態での耐えられる力を意味しています。最大ドラグ力が11㎏の場合、11㎏の力までは耐えられるといった意味になります。
この最大ドラグ力を超えてしまうと、リールの巻取りをしない限り勝手にラインが出てしまう現象が発生してしまいます。
ライトショアジギングでマグロでもかかってしまったら(まずありえませんが・・・)もう大変です。まず釣りあげるのは難しいです。
最大ドラグ力が11㎏に20㎏のマグロがかかってしまったら、常にリールを巻いてもドラグが耐えきれずラインが出ている状態になるので、良くても現状維持?といった状態になるかと思います。その為釣り上げることができるかと言われると????私は無理だと思います。
と言ってもそこまでの魚がライトショアジギングでかかることはまずありえませんので、問題無いですが、一番重要なのは実用ドラグ力だと覚えてほしいです。
ライトショアジギングに向いている実用ドラグ力
では、ライトショアジギングに向いている実用ドラグ力はいくらなのかと言いますと、結論的には4㎏~6㎏もあれば十分だと言えます。
釣る魚にもよりますが、まず1ⅿ越えの魚でもなければ、実用ドラグ力が6㎏もあれば十分釣ることができます。もしダメでも最大ドラグ力が10㎏ぐらいであれば、その分ドラグを絞めればいいだけですので、最低でも4㎏以上の実用ドラグ力があれば、釣りを行うには十分です。
スピニングリールの自重
自重とはリールの重さの事です。これは単純に考えれば、リールが軽ければ楽で、重ければ大変といった形になります。ルアー釣りは、ルアーアクションを常に行う為、重さについては少しでも軽いほうが楽、逆に重いほど疲れる!といった形が理屈的には成り立ちます。
しかし、ライトショアジギングに向いているリールの事を考えれば、それなりの重さが必要だと言えます。
ジギングはよく遠くに飛ばす動作が必要です。その為、飛距離をだすキャスティングを行うには、ロッドもそれなりの重さがないと飛距離ができません。その為、ロッドは重いけど、リールは軽いといったチグハグなタックルでは十分な装備とは言えません。
ライトショアジギングに必要な自重
ライトショアジギングに向いているロッドは最低でも8ft以上の長さが必要です。そういった面も考慮すると、スピニングリールに必要な自重は250~350ℊが妥当だと言えます。もう少し詳しく分類すると
- 8ftの長さであれば250g
- 9ftの長さであれば300ℊ
- 10ftの長さであれば350g
ぐらいが、ロッドの長さにしっくりくる自重ではないかと思います。と言っても、人によって違いはありますので、あくまでも参考程度にとらえてください。ロッドの硬さMHとかHとかによっても実用的な自重は変わってきますので、この数値を参考に自分のスタイルにあった重さをチョイスしてほしいです。
スピニングリールのPE糸巻量
糸巻量とは、リールに巻取る事ができるライン量の事です。ライトショアジギングで主に使用するラインはPEラインが主流で、ルアーアクションを行う際にアクション伝導率が高いラインです。
このPEラインを巻き取る量はラインの太さによって違ってきます。ラインが太ければ巻き量は少なくなり、ラインが細ければ巻き量は多くなります。
ライトショアジギングで飛ばせる飛距離は大体100Mぐらいが良いところです。
いやっ!俺は150Mぐらい飛ばすことができる!というのであれば、あなたはかなり高スペックのタックルと腕前を持っていると言えると思います。(私の知っている限り)
そういった面も考えれば、最低でも自分の出せる飛距離以上の巻き量が必要になるはずです。
ライトショアジギングに必要なPE糸巻量
ライトショアジギングで使用するPEラインは最低でも0.8号以上の太さが必要です。普通は1.2号あたりが一般的です。
スピニングリールについては、ナイロンラインなども巻けるようにできているため、通常のPEラインであれば、大概のⅿ数は巻くことができます。
一応の目安としては、必要部分としては200ⅿも巻くことができれば十分キャスティングでの飛距離をおぎなうことができますので、PEライン1.0号サイズで400ⅿも巻くことができるのであれば、大概のPEラインの長さと太さはおぎなえることができると言えます。
ライトショアジギングに向いているスピニングリールのPE糸巻量について、私なりに調べた結果と実際に使っている範囲で考えると
- 1.0号であれば400ⅿ
- 1.5号であれば300ⅿ
- 2.0号であれば200ⅿ
大体このくらいのPE糸巻量ができるスピニングリールを目安にチョイスするといいかと思います。
巻き量が少ない分に関しては、【下巻】といって、不要なラインを巻くことでも調整することもできますので、それほど気にする必要はありません。
大事な事は【自分が必要とする量のラインを巻くことができる容量があるのか?】といったことが重要なので、最低でも自分が必要とする太さのPEラインの巻き数よりも多く巻くことができるスピニングリールを選びましょう
スピニングリールの最大巻げ量
最後に目を通してほしいのが最大巻上量です。最大巻上量とは、ハンドルを1回転させる間にどのくらいの長さのラインを巻き上げることができるかということです。
実は、この最大巻上量はギア比に比例しており、ギア比が高いリールほど、1回転の巻き数が多くなるのが特徴です。最近のリールの性能を考慮して巻上量とギア比の関係を簡潔に説明すると大体は
- ギア比5.0⇒最大巻上量60㎝~70㎝ぐらい
- ギア比6.0⇒最大巻上量80㎝~90㎝ぐらい
のスペックになります。最大巻上量に関しては、ギア比の欄でも説明した通り、巻き数が多いほど、ルアーを回収できるスピードが速くなります。しかし、リールアクションのコントロールが難しい一面もあります。
ライトショアジギングに必要な最大巻上量
ライトショアジギングに向いている最大巻上量については、70㎝以上もあれば、十分なスペックだと言えます。
あとは自分の体力次第の部分もありますので、ルアーアクションが多く、巻き数が多いほうが疲れにくいので、そのほうがいいと思う方は80㎝とか90㎝以上のスペックのリールを選んでもいいでしょうし、その辺の判断は自分の経験で判断してみてください。
ライトショアジギングにオススメのスピニングリール
リールを選ぶ際に確認しておいたほうがいい項目はわかったけど、んじゃ~実際はどんなリールの選べばいいのよ!と言われそうなので、最後に初心者、中級者向けのリール選びの際に一番の目安にする点について纏めたいと思います。
まず、スピニングリールについては、2000番とか3000番といったようにリール名前のあとにこの番号がついています。この番号は何の意味を表すのかと言いますとリールの大きさを示す番号です。
実は、この番号がリール選びの際の一番の目安でして、自分が行う釣りのスタイルに必要なリールはこの番号で見極めることができます。
リール番号はメーカーによって違う
スピニングリールの番号はメーカーによって基準が違う為、一概にこの番号だ!ということはなかなか難しいところがあります。
釣り具の代表的なメーカーであるダイワとシマノですら番号での大きさが違います。ダイワとシマノを代表にライトショアジギングに向いているリール番号を紹介すると、
- ダイワ=3000番
- シマノ=4000番
となります。この区分をよく知らずに、ネットでさらっと調べて3000番がオススメです!なんて記事を読んで、シマノの3000番のリールを買ってしまうと、実は思ったよりも小さめのリールだった・・・なんて場合もあります。
ま~シマノの3000番でもできなくはないでしょうが、ある程度慣れた中級者ぐらいのレベルの人であれば、少し物足りなく感じることがあると言えます。
ライトショアジギングに向いているリールについては、最低でもここで説明しているダイワ=3000番、シマノ=4000番ぐらいの知識は頭に叩き込んでおきましょう。
他メーカー品は5項目で確認
ダイワとシマノを例にとって説明しましたが、他のメーカーの購入を検討するときは、上で紹介した5項目について自分なりに考えて選びましょう。
リール選びの際は3000番~4000番を1つの目安としてとらえ、自分が必要だと感じるスペックを5項目で判断してみてください。
中級者は自分のスペックに合わせてチョイス
初めてライトショアジギングをやってみようと思う方は、初心者入門セットなどで売っている10000円以内で買うことができるロッドやリールのセット品でもいいですが、ある程度釣り経験があり、自分のニーズが出てきた方は、自分がどのスペックを重視するかに重点をおいてリール選びを行いましょう。
【自重】をメインと捉え軽めのリールを選ぶべきか、又は重めのリールか、【最大巻上量】をメインととらえ、ハンドル1回転での最大巻上量が多いリールを選ぶべきか、普通の最大巻上量のリールを選ぶべきかなどなど・・・
最近では、自分が必要とする項目をキチンと判断して選べば、10000円ぐらいのリールでも十分なスペックを持っているリールが多いですので、いきなり高い30000円とか40000円のリールでなくても、しっかり吟味して選んでみてください。